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キッチンカウンター下部収納棚取付工事

2021.12.29

こんにちは。 建築部の池松です。


秋に入るかというころ、あるお客様から、キッチンカウンターの下に棚を取り付けたいとご用命いただきました。

具体的には、幅2920mm×奥行き100mmの大きなキッチンカウンターのダイニング側、スツールなどを置けるように274mm引っ込んでいる部分に、扉付きの収納棚を付けたいとのご要望です。
中に収納する具体的な内容もお客様は想定済みでしたので、必要な奥行きを確保しながら扉の厚さ、強度などの検討をおこない、カウンターの上でお使いの電気製品用に配線の穴も開けることになりました。
      

扉表面のシート模様も左右で合わせた贅沢な仕様です。
内部は奥行きを確保するために背板を無しにし、中段板で強度を確保しています。

ここで問題が発生しました。
扉の上下に取り付けていた配線孔キャップのうち、一つの向きがよろしくないのです。
ホコリ侵入防止のために下向きで手配していたのですが、実際配置したところ、ホコリうんぬんよりも、配線の納まりの方が気になりました。
  

年末の、誰もがスケジュールに追われる日々、お客様に再度やり直しの日程をいただくなど、もってのほかですし、今から誰かを呼んで変更してもらうなども、全く現実的ではありません。
その場で対処できるか相談するため、棚を製作したメーカーの設計さんに電話をかけると、すぐに仕様書を携帯電話に送ってくれました。
確認すると、取り付け方の指示はあるものの、外し方は書いてありません。
外すことは前提ではないので当然と言えば当然です。外す際に扉を痛めるリスクなどを考えると、金具メーカーの方でも安易に外し方など書かないだろう、そもそも工場で取り付けてきているのに、現場で外せるのか・・・頭の中でいろいろ考えましたがわかりません。

お客様が、「やってみたら?」と言ってくださいました。
そうでした、やってみるしかないのです。
結果、だめだったのですが、動く気配は感じられました。「外れ防止ピン」がしっかり仕事をしていて、それ以上はびくともしません。

打つ手が決まらないまま一度、お客様宅を失礼し、別の予定に向かいました。
移動しながら今度は金物メーカーの福岡支店さんに電話して窮状を訴えました。
「確認して折り返します。」と丁寧なご返答をいただき、希望を持っていいのか、諦めて棚を一度持ち帰るなどの、お客様にもさらに日数をいただく話にもっていかなくてはいけないのか・・・
鬱々とひたすらメーカーさんからのお返事を待ちました。

もう時間がありません。
どうするのかのご説明にお客様宅に再度向かう途中、金物メーカーの福岡支店さんは電話をくださいました。しかも少し息を切らして。
「外せます!指を配線孔に差し込んで、しっかりにぎった状態で、手首をテコの原理の感じで、グイっとやってみてください!」と具体的な説明をしてくださいました。
聞けば、支店のショールームに実物展示していたもので、チャレンジしてみたとのこと。
四角四面な回答でも許される世の中で、忙しい季節にかかわらず動いてくださったみなさまに尊敬の念を禁じえません。

ちなみに、「私にもできますか?」と闇雲な質問を重ねましたがそれにも、「できます!やってみてください!」と予想もしなかった太鼓判をいただき、長いエレベーターに乗り込みました。

完成です。
     

配線孔のくだりは今後も要勉強ですが、今回、オーダーで色々できる勉強をさせていただきました。
いつも、難題かと思いきや、ひとつひとつ挑戦すれば解決できて大変勉強にもなるご依頼をくださるお客様に、大感謝の年末でした。

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